【発表】学部2年 大崎君が研究内容を電子情報通信学会 インターネットアーキテクチャ研究会(2023/9/21)で発表しました – ‘ eBPF と XDP を用いた高速な DDoS 攻撃検出・自動対処システムの提案と実装 ’

学部2年生大崎君が研究内容を電子情報通信学会インターネットアーキテクチャ研究会(2023/9/21)にて発表しました.

発表概要:DDoS 攻撃 (Distributed Denial of Service 攻撃) は多数の端末からパケットを送信することで標的に負荷 をかけるサイバー攻撃である. DDoS 攻撃は長年頻度の増加と規模の拡大の傾向にある.それにより,昨今ではスルー プットやスケーラビリティなどの観点から extended Berkeley Packet Filter(eBPF) や eXpress Data Path(XDP) を用 いた DDoS 防御手法が注目を集めている. したがって, 本研究では eBPF と XDP を用いた DDoS 攻撃検出・自動対処 システム, DomeX (DDoS mitigation based on eBPF and XDP) を提案,実装,評価する.そして,DomeX はほと んどオーバーヘッドが計測されず,平均パケットロス率も 0.014% と十分実用に耐えうる性能であることを示す.ま た,パケットフィルタ設定にトライ木のデータ構造を用いたことによるフィルタルールのマッチング時間の計測結果 も示す.

【発表・受賞】学部3年 沙田君が研究内容を情報処理学会 第79回UBI研究会で発表しました – ‘ 多クラス分類に向けた階層的分類モデル’

学部3年 沙田君が研究内容を情報処理学会 第79回UBI研究会で発表しました.また,本研究成果は,UBIヤングリサーチャー賞を受賞しました.

発表概要:近年, 数多くのディープラーニングモデルが提案され, それらを活用した多種多様なデータセットを 基にした画像分類の研究が進められている. しかしながら, 分類クラスの総数が増加するにつれて分類の精度は低下するという問題があり, 特に画像分類タスクにおける課題として顕在化している. さらに, データセット内で類似度が高いクラスにおける分類の精度が低いことも課題として挙げられる. 本研究では, 複数個のモデル使用し, 階層的にクラス分類を実現する新しい手法を提案する. 提案手法では, 対照学習を通じて得られた潜在表現を基に, 入力データに対して最も適切な分類モデルを選択する. その後, 選ばれた最適な分類モデルによって, 入力データの分類を行う二段階の分類プロセスを採用する. 本研究では提案手法の有効性を示すために実験を行い, 既存手法に対して分類精度向上を示すとともに, 類似度が高いクラスの分類精度も向上させることができた.


    

【発表・受賞】学部3年生本山君が研究内容を情報処理学会 第79回UBI研究会で発表しました– ‘野良猫・飼い猫判別のための猫の顔分類技術の提案’

学部3年生本山君が研究内容を情報処理学会 第79回UBI研究発表会で発表しました.また,本研究成果は,第79回UBI研究会 最優秀論文賞を受賞しました.

発表概要:近年, 迷い猫の問題が増加しており, マイクロチップの装着義務化が進められているものの, 装着率は依然として低い. また, 野良猫と飼い猫の識別が困難であることによる, 誤った迷い猫の処理の事例が複数報告されている. 本研究では,飼い猫と野良猫には顔つきに差異があるという仮説のもと,猫の顔画像分類による野良猫と飼い猫の判別技術を提案する. 800枚の野良猫と飼い猫の顔画像のデータセットを作成し,6つの異なる画像認識アルゴリズム, ResNet-50, AlexNet, VGG-16, GoogleNet, DenseNet201, MobileNetV2で分類精度を比較した. また, 人間の判断能力と深層学習モデルを比較する目的で, 7人の被験者による分類実験を実施. 結果として, 野良猫と飼い猫の分類に最適な画像認識アルゴリズムはResNet-50 であることが判明し, 85.44%の正解率を達成した. 特に飼い猫に対しての正解率が高く, 専門家レベルの人間の判断能力と同等の精度を持つことが確認された.

【発表・受賞】学部3年生濱田君が研究内容を第79回UBI研究発表会で発表しました– ‘高解像度画像を用いた鳥類検出手法の提案’

学部3年生濱田君が研究内容を第7回UBI研究発表会で発表しました.また,本研究成果は,UBIヤングリサーチャー賞を受賞しました.

発表概要:野生動物のモニタリング,個体数把握は生態系の保全や管理に重要であるとされている.こうした個体数把握の効率化のために機械学習を用いた画像検出・分類が行われている.

本研究においては,既存の手法を応用して,高解像度画像から鳥類を高速かつ高精度に検出・分類できると考えられる手法を提案し,その評価を行った.本研究で提案する手法は,ダウンスケーリングした高解像度画像から鳥類のシルエットを検出器で検出して切り出し,切り出した部分のみ元の解像度に戻し,分類器で分類を行うという二つの手順から成り立つ.

実験では,鳥類4種類を対象に,鳥の種類ごとにアノテーションしたデータセット,鳥を一括りにアノテーションしてデータセット二つを作成し,検出器・分類器の学習を行った.

提案手法に対する入力画像の大きさを変化させながら,テスト用の画像セットに対する画像一枚当たりの推論時間,mAP50,APsmallを算出し,評価を行った.比較対象として鳥の種類ごとにアノテーションしたデータセットで学習したYOLOv8を用い,同様の指標で評価を行い,提案手法と比較を行った.

【発表】卒業生 南君と修士2年生 別宮君が研究内容をIEEE International Conference on Smart Computing (SMARTCOMP) 2023で口頭発表・デモ発表しました – ‘ Detecting Potholes from Dashboard Camera Images Using Ensemble of Classification Mechanism’

【発表】卒業生 南君と修士2年生 別宮君が研究内容をIEEE International Conference on Smart Computing (SMARTCOMP) 2023で口頭発表・デモ発表しました – ‘ Detecting Potholes from Dashboard Camera Images Using Ensemble of Classification Mechanism’

概要:

Road damage such as potholes may occur on roads due to aging, which may affect traffic. Periodic inspections of road damages are difficult due to the high cost of road surveys. The development of a system that automatically detects potholes and other road damages from dash cam images can allow inexpensive road inspections and can overall improve the problem of the long-term overlook of road damages. Last year, we conducted a demonstration experiment in Edogawa City, Tokyo, using an existing image-based road damage detection method. From that experiment, we found that the detection of potholes on actual roads often causes false positives in detecting shadows and manholes. In this study, we propose a method to reduce false positives in pothole detection, which was considered to be a problem through the demonstration experiment. Since the evaluation based on a pothole-only dataset is not practical, we constructed a dataset for evaluation by adding shadow and manhole images. Our method consists of two main components: data augmentation and an ensemble of classification mechanisms for object detection models. The result of the test on the reconstructed pothole dataset showed that the Average Precision (AP), which is a measure to evaluate the performance of object detection, and F1, which is the harmonic mean of precision and recall, were improved compared to the existing method. Our new method is expected to be an effective pipeline for tasks and situations where false positives are likely to occur and where false positives are more considered as an issue than false negatives, given that they are not dependent on the domain of potholes.

【発表】学部4年生 小林君が研究内容を電子情報通信学会 第50回情報論的学習理論と機械学習研究会(IBISML)で発表しました – ‘Potential of Domain-agnostic Encoder for Long-range DNA Sequences’

【発表】学部4年生 小林君が研究内容を電子情報通信学会 第50回情報論的学習理論と機械学習研究会(IBISML)で発表しました – ‘Potential of Domain-agnostic Encoder for Long-range DNA Sequences’

概要: 約13万塩基対分のDNA配列情報から、タンパク質の発現量やクロマチンの構造状態を効率的に予測する際に、「ドメイン非依存エンコーダ」が効果的に機能することを示す実験結果を公表しました。この研究では、Enformerモデルと比較した実験を通じて、PerceiverモデルのCross-Attention機構がDNA配列情報解析に有効に働くことを確認しました。
オミクスデータの解析においては、特徴量選択が行われることが多く、これはモデルの推論精度や解釈可能性を高める目的で用いられます。特定の疾患や形質に与えるDNA中の各塩基の影響力は大きく異なり、DNA配列情報解析においては、データの最小単位である塩基単位での特徴量選択が特に重要な役割を果たすと考えられます。しかし、これまでのDNA配列情報解析における深層学習モデルのアプローチでは、畳み込み機構を利用した局所領域への特徴量抽出が主に行われてきました。本研究では、目的変数への各塩基の影響を考慮しない絶対位置依存の情報集約であると解釈される、これまでの畳み込み機構の使用、そして既存の手法では目的変数の完全な予測が達成できていないという事実から、DNA配列情報解析への畳み込み機構の適用性を再評価しました。

【受賞】博士課程2年生 川島君の研究が情報処理学会第256回自然言語処理研究会にて若手奨励賞を受賞しました。-‘ 多次元項目反応理論による短歌の評価傾向の分析 ’ 

【受賞】博士課程2年生 川島君の研究が情報処理学会第256回自然言語処理研究会にて若手奨励賞を受賞しました。-‘ 多次元項目反応理論による短歌の評価傾向の分析 ’ 

https://sites.google.com/sig-nl.ipsj.or.jp/sig-nl/%E6%8E%88%E8%B3%9E/young?authuser=0

発表概要: 短歌は日本の伝統的な詩形の一つであり,これまで文学としての研究は行われてきているが,その評 価について定量的な研究は行われていない.そこで本研究では,複数の短歌について複数の評価者が「良い–悪い」および「好き–嫌い」の軸で K 段階の評価を付与した短歌の評価データに対して,多次元の項目 反応理論に基づき,短歌の潜在座標および各評価者の評価傾向を分析する手法を提案する.多次元項目反 応理論における潜在変数の次元数を変化させることで,短歌の評価に影響する要因の分解や,作者ごとの 短歌の傾向の分析,評価者のグループ間の相違を統計的に比較することが可能になった.

【採択】特任助教佐々木航君の研究がBig Data Journalから出版されました。 “Large-Scale Estimation and Analysis of Web Users’ Mood from Web Search Query and Mobile Sensor Data”

[採択] 特任助教佐々木航君の研究がBig Data Journalから出版されました。
“Large-Scale Estimation and Analysis of Web Users’ Mood from Web Search Query and Mobile Sensor Data”

本研究では、検索クエリデータからユーザの気分状態を推定する新たな手法を提案しました。まず、スマートフォンのセンサーデータから気分を推定するためのセンサー気分モデル(SMM)を構築しました。これは、非侵襲的で容易に収集可能なモバイルセンサデータを利用しており、バックグラウンドで収集されるデータに対して、気分状態を推定します。また、Yahoo!JAPANに蓄積されたユーザのウェブ検索クエリから気分を推定する検索クエリ気分モデル(QMM)を構築しました。QMMモデルにSMMモデルを組み合わせることで、QMMのトレーニングデータを増やし、気分推定のパフォーマンスを向上させることができました。 さらに、我々は、11百万人以上のYahoo!JAPANユーザのウェブ検索クエリから気分スコアを3時間ごとに計算するシステムを構築し、「全国的な気分スコア」を生成しました。これらを解析すると、ユーザの週間リズムやCOVID-19パンデミックの間の気分の変動を捉えるなどの興味深い結果を見出すことができました。さらに、重要なニュースの影響や広告のクリックに関連するユーザの気分の変化も捉えることができました。 私たちの研究は、ウェブ検索クエリからユーザの気分を推定する新たな方法を提供し、実際のシステムに実装し、大規模なデータで評価することで、気分推定の分野に新たな可能性をもたらしました。ただし、気分に基づく広告配信などの倫理的な問題も含め、これらの結果の実用化には慎重な取り組みが必要であることを強調します。 詳しくは以下のURLから参照ください。

本研究は、ヤフー株式会社 Yahoo! JAPAN研究所との共同研究による成果です。

Wataru Sasaki, Satoki Hamanaka, Satoko Miyahara, Kota Tsubouchi, Jin Nakazawa, and Tadashi Okoshi, “Large-Scale Estimation and Analysis of Web Users’ Mood from Web Search Query and Mobile Sensor Data”, Big Data Journal, https://www.liebertpub.com/doi/full/10.1089/big.2022.0211

研究フレームワーク

2020年における推定値の変遷

【シンポジウム】「地域IoTと情報力研究コンソーシアム」第4回シンポジウムが開催されました

開催日時: 2023327日(月) 13:3017:30

開催場所: 慶應大学三田キャンパス 北館ホール

【開催概要】

「地域IoTと情報力研究コンソーシアム」では、街のあらゆる情報を超解像度でセンシングする技術、Deep Learning画像分析をリアルタイムにエッジ処理する技術、また参加型センシングなど、あらゆる情報をハイブリッドに活用した超センサーフュージョン技術により、人の生活をより豊かにするスマートシティを構築するために、湘南地域の各自治体様とコンソ会員の各企業様、各大学研究室の皆様とともにいわゆる地域DX水平展開の活動を推進して参りました。また、このコンソーシアムの活動の中でいくつかの国プロの活動へも繋がり、昨年は特にNICTのBeyond5Gプロジェクトである「ShonanFutureVerse」プロジェクトがスタートしました。
Beyond5G「ShonanFutureVerse」プロジェクトとは、2030年のBeyond5Gの超高速、超低遅延、超多接続のネットワーク環境を最大限に活用し、現在都市の超解像度センシング技術と、交通、人流、環境、防災などのさまざまなユースケースにおける超精密シミュレーション技術とを組合せることによって、リアルな未来都市像を超精密かつリアルタイムに仮想空間上で可視化します。その際、未来都市像として、ワーストシナリオ(ヤバース)と、目指すべきシナリオ(キラバース)を具体的にビジュアル化し、この2つの未来都市像からバックキャスティングによって現在の人の行動がどうあるべきかを具体的に示唆することによって行動変容を促し、理想的な未来都市創造実現を目的とするプロジェクトです。実際に湘南地域の複数の自治体で交通、人流、環境、防災などのさまざまなユースケースにもとづく実証実験を行っていきます。
この度、第4回となる「地域IoTと情報力研究コンソーシアム」のシンポジウムと「ShonanFutureVerse」プロジェクトの合同シンポジウムとして「2030年の未来都市創造のための超解像度センシング」をテーマに開催させて頂きます。