【採択】卒業生 高君らの論文がACM CHI’25にacceptされました – ‘Cyberoception: Finding A Painlessly-Measurable New Sense In The Cyberworld Towards Emotion-awareness In Computing’

卒業生 高君らの論文「Cyberoception: Finding A Painlessly-Measurable New Sense In The Cyberworld Towards Emotion-awareness In Computing」がACM CHI’25に採択されました。学部4年時の研究です。

Abstract:

In Affective computing, recognizing users’ emotions accurately is the basis of affective human-computer interaction. Understanding users’ interoception contributes to a better understanding of individually different emotional abilities, which is essential for achieving inter-individually accurate emotion estimation. However, existing interoception measurement methods, such as the heart rate discrimination task, have several limitations, including their dependence on a well-controlled laboratory environment and precision apparatus, making monitoring users’ interoception challenging. This study aims to determine other forms of data that can explain users’ interoceptive or similar states in their real-world lives and propose a novel hypothetical concept “cyberoception,” a new sense (1) which has properties similar to interoception in terms of the correlation with other emotion-related abilities, and (2) which can be measured only by the sensors embedded inside commodity smartphone devices in users’ daily lives. Results from a 10-day-long in-lab/in-the-wild hybrid experiment reveal a specific cyberoception type “Turn On” (users’ subjective sensory perception about the frequency of turning-on behavior on their smartphones), significantly related to participants’ emotional valence. We anticipate that cyberoception to serve as a fundamental building block for developing more “emotion-aware”, user-friendly applications and services.

本研究では、物理空間/サイバー空間両方にまたがる現代人の日常生活において、非認知能力と深い関係があるとされる「内受容感覚」と類似性のある新しい感覚「サイバー受容感覚」を発見しました。今回発見された感覚は、ユーザーが日常生活で携帯するスマートフォンに組み込まれたセンサだけで測定できる、人間の新しい感覚です。感覚のするどさと、自身の感情能力との間に有意な相関があることが世界ではじめて明らかになり、感情に寄り添うIT/AIシステムの発展に寄与すると期待されます。

プレスリリースはこちらです:kri.sfc.keio.ac.jp/ja/news/cyberoception_20250425/↗

シンポジウム『AIoT/XRで挑む未来都市リアリティ – 人々の動きを”捉え”て”促す”』を開催します

国立研究開発法人情報通信研究機構 (NICT) の委託事業「ShonanFutureVerse: 仮想都市未来像にもとづく超解像度バックキャスティングCPS基盤」プロジェクト(以下「SFVプロジェクト」)、慶應義塾大学大越グループでは、2025年4月23(水)に慶應大阪キャンパスで開催されるシンポジウム『AIoT/XRで挑む未来都市リアリティ – 人々の動きを”捉え”て”促す”』にて、人流マネージメントやMixed Reality (MR) 型情報提示の基盤技術に関する研究を発表・展示いたします。

日時:2025年4月23日(水)13:00~18:00(開場12:30)

場所:慶應大阪シティキャンパス(大阪市北区大深町3番1号グランフロント大阪 ナレッジキャピタル北館タワーC 10階 Room1)

参加費:シンポジウム無料 ※懇親会調整中

定員:100名 ※先着順

参加申し込みはこちら(Webサイト上での事前申込制):https://forms.gle/vfWVA4ihJr452LwMA

申込期限:2025年4月18日(金)

【開催概要】

気候変動をはじめとした地球環境の変化と共に人間社会が発展・成熟しつづけられるための「サステイナビリティ」、「緊急事態の慢性化」ともいえる多種の災害や感染症蔓延が起きる中での「レジリエンス」、といった社会要請下において、

  • 人々が誰でも簡単に都市の「実現したい未来」や「避けたい未来」を具体的な像として作成/共有/相互理解
  • その未来状態実現のために必要な施策とその実施方針をバックキャストで導出
  • それらにのっとった施策の実施とフィードバックループによる現在都市の「未来化」をIT/AI技術を用いて実現することができるのか。

本シンポジウムでは、SFVプロジェクトのテーマである上記3点をメインに、都市の効率性や住みやすさを向上させ、持続可能な未来都市を実現するためには、今何が必要かについて議論します。

【プログラム予定】

13:00 開会挨拶 

13:05 招待講演1 「Internet of Realities:AIが拓く新たな現実とそのインターネットに向けて」 名古屋大学大学院工学研究科准教授 米澤拓郎 氏

13:45 招待講演2 「スマートフォンプローブデータがひらく災害レジリエンス — 能登半島地震から豪雪対策まで —」 株式会社社会システム総合研究所 主任研究員 望月祐洋 氏

14:25 「Shonan Future Verseプロジェクト概要」 東日本電信電話株式会社 ビジネスイノベーション本部 担当課長 田村雅之

14:40 講演 「テーマパークにおける人流マネージメント 〜横須賀市ソレイユの丘を事例に〜」 慶應義塾大学環境情報学部 准教授 大越匡

15:10 休憩/デモ・ポスター展示

15:40 講演 「観光地における来訪者の快適性を高める人流ナウキャスト・フォアキャスト~藤沢市江の島における実証実験に向けて~」 株式会社アイ・トランスポート・ラボ 代表取締役社長 花房比佐友

16:10 講演 「災害時における「実現したい未来」・「避けたい未来」」 京都大学防災研究所 准教授 廣井慧

16:40 パネルディスカッション「AI時代、多様化する”現実”と人々の行動」

17:45 閉会挨拶

18:00 閉会  ※18:30から懇親会を予定 

SFV (ShonanFutureVerse) プロジェクト

国立研究開発法人情報通信研究機構 (NICT) 革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業 要素技術・シーズ創出型プログラム (採択番号: 08201)

研究開発課題名: ShonanFutureVerse: 仮想都市未来像にもとづく超解像度バックキャスティングCPS基盤

受託者: 東日本電信電話株式会社(代表受託者)、学校法人慶應義塾、国立大学法人京都大学、国立大学法人東京大学、株式会社アイ・トランスポート・ラボ、カディンチェ株式会社、株式会社ゼンリンデータコム

【シンポジウム】「スマートシティのABC 〜限定合理性を超越する行動機会の拡張〜」が開催されました

開催日時: 2024年12月13日(金) 13:00~17:00

開催場所: 慶應義塾大学日吉キャンパス 藤原洋記念ホール

【開催概要】

JST CREST「共生インタラクション」領域で5年半に渡り、街の人を幸せにするAI的なもの(技術)の研究を進めてきました。私たちのプロジェクトでは、情報の力で街の人が幸せになる街をスマートシティと呼びます。この考え方は、人が必ずしも合理的でないからこそ成り立ちます。街から情報を獲得し、処理し、街に戻すことを通じて、人が新しい行動を獲得できるような、人とAI的なものとの新しい関係を考えます。

【シンポジウム】「地域ウェルビーイングとDX」シンポジウムが開催されました

開催日時: 2024年11月26日(火) 13:00~17:00

開催場所: 慶應義塾大学三田キャンパス 北館ホール

【開催概要】

慶應義塾大学環境情報学部 中澤・大越研究室、慶應義塾大学SFC研究所 地域IoTと情報力研究コンソーシアム、および慶應義塾大学SFC研究所 健康情報コンソーシアムは、2024年11月26日午後、慶應義塾大学三田キャンパス北館ホールにて、「地域ウェルビーイングとDX」シンポジウムを開催いたします。
地球沸騰化等の環境変化、人生100年時代と少子高齢化・人口減少など、21世紀の社会を取り巻く様々な変化の中で、レジリエンスとサスティナビリティを備えた地域の発展のためには、その地域に住み、働き、また訪れる人々のウェルビーイング(地域ウェルビーイング)維持・向上が不可欠です。本シンポジウムでは、IT/AIがもたらすデジタルトランスフォーメーション(DX)と地域ウェルビーイングについて議論し理解を深めます。
具体的な研究成果や取り組みの例を交えて、地域課題の解決や、そこに滞在する人々の参加/参画促進に向けた新たなアプローチを探ります。さらに、参加者同士の意見交換を促進するため、ポスターセッションを設け、さまざまな視点からの意見やアイデアを共有します。
本シンポジウムを通じて、地域の未来に向けた新しい視点を得ることを目指します。

【発表】学部4年 張君が研究内容を第63回 日本生気象学会大会で発表しました – “モバイルデバイスのバッテリ温度を用いた暑さ指数推定”

学部4年 張君が研究内容を第63回 日本生気象学会大会で発表しました.

研究概要:本研究ではスマートフォンのセンサデータから気象要素を推定する手法について検討し、精度を検証することによって熱中症対策用途のセンサデバイスとしてのスマートフォンの有用性を明らかにすることを目的とした。収集実験において、スマートフォンからバッテリ温度の値、黒球式熱中症指数計から気温、湿度、黒球温度、WBGTの値をそれぞれ収集した。結果、スマートフォンのバッテリ温度と黒球式熱中症指数計のWBGT値の相関係数は室内では0.88、室外では0.96の強い正の相関が見られた。この結果から、一定条件下においてスマートフォンを用いたWBGT推定ができることの可能性が示された。

【発表】修士2年 近藤さんが研究内容を第63回 日本生気象学会大会で発表しました – “熱中症リスク推定に向けた環境センシングとバイタルデータ分析による鼓膜温予測モデルの開発”

修士2年 近藤さんが研究内容を第63回 日本生気象学会大会で発表しました.

研究概要:本研究では、熱中症リスク推定に向け、環境情報(WBGT、気温、湿度)とバイタルデータ(心拍数、活動量、年齢など)を統合し、鼓膜温を予測するLightGBM回帰モデルの開発を行った。データ収集は、2023年8月から9月の28日間、神奈川県の屋外労働者20名を対象に実施し、センサーデバイスやアンケートを用いて多様なデータの収集を行った。本実験で取得したデータを用いて平均鼓膜温を予測するLightGBM回帰モデルの開発を行い、K分割交差検証とLeave-One-Subject-Out交差検証によってモデルの性能を評価した。その結果、 K分割交差検証では平均R²スコア0.85、Leave-One-Subject-Out交差検証では平均R²スコア0.80を達成し、高い予測精度を示した。また特徴量の重要度分析により、鼓膜温予測においてはWBGTと心拍数が特に重要な要因であることが確認された。本研究は、個別の内的要因を考慮した熱中症リスク評価の可能性を示し、今後さらなるデータ統合による精度向上が期待される。

「地域ウェルビーイングとDX」シンポジウムを開催します

“「地域ウェルビーイングとDX」”シンポジウムを開催します!

開催日時: 2024年11月26日(火) 13:00~17:00(12:30開場)

開催場所: 慶應義塾大学三田キャンパス 北館ホール

参加費: 無料(どなたでもご参加頂けます,要事前登録)

参加申し込みはこちら:https://forms.gle/rVhMd6Uw4WgGTcqP7

【開催概要】

慶應義塾大学環境情報学部 中澤・大越研究室、慶應義塾大学SFC研究所 地域IoTと情報力研究コンソーシアム、および慶應義塾大学SFC研究所 健康情報コンソーシアムは、2024年11月26日午後、慶應義塾大学三田キャンパス北館ホールにて、「地域ウェルビーイングとDX」シンポジウムを開催いたします。
地球沸騰化等の環境変化、人生100年時代と少子高齢化・人口減少など、21世紀の社会を取り巻く様々な変化の中で、レジリエンスとサスティナビリティを備えた地域の発展のためには、その地域に住み、働き、また訪れる人々のウェルビーイング(地域ウェルビーイング)維持・向上が不可欠です。本シンポジウムでは、IT/AIがもたらすデジタルトランスフォーメーション(DX)と地域ウェルビーイングについて議論し理解を深めます。
具体的な研究成果や取り組みの例を交えて、地域課題の解決や、そこに滞在する人々の参加/参画促進に向けた新たなアプローチを探ります。さらに、参加者同士の意見交換を促進するため、ポスターセッションを設け、さまざまな視点からの意見やアイデアを共有します。
本シンポジウムを通じて、地域の未来に向けた新しい視点を得ることを目指します。

【主催】 

慶應義塾大学環境情報学部 中澤・大越研究室、慶應義塾大学SFC研究所 地域IoTと情報力研究コンソーシアム、慶應義塾大学SFC研究所 健康情報コンソーシアム

【プログラム概要】 

・開会挨拶 中澤仁(慶應義墊大学 環境情報学部 教授)

・講演1 「2030年の地域ウェルビーイングに向けてDXを加速させる IT/AI技術」

     大越匡(慶應義墊大学 環境情報学部 准教授)

・講演2 「地域保健活動でのデータ利活用について」

     木寅信秀(東日本電信電話株式会社 ビジネスイノベーション本部
     フロントソリューション部グループ長補佐)

・講演3 「寒川町における地域ウェルビーイング/DXの課題とその取り組み」

     渡邉陽介(寒川町 企画部 デジタル推進課 DX推進担当兼情報システム担当 副主幹)

・講演4 「社会変化に対応できる持続可能な地域廃棄物回収運搬システムの実現に関するDX課題」

     陳寅(麗澤大学工学部 准教授)

・講演5 「骨粗しょう症検診受診率15%を目指せ!~ライフコースアプローチを踏まえた

     骨育・骨検DX「TeamBONE21(第3次計画)」の活動と未来~」

     本田由佳(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任准教授)

・ポスターセッション

・パネルディスカッション 「ぶっちゃける – 多様な地域ウェルビーイングに向けたDX推進の課題や実情 – 」

シンポジウム「スマートシティのABC 〜限定合理性を超越する行動機会の拡張〜」を開催します

“スマートシティのABC 〜限定合理性を超越する行動機会の拡張〜”を開催します!

開催日時: 2024年12月13日(金) 13:0017:00

開催場所: 慶應義塾大学日吉キャンパス 藤原洋記念ホール

参加費: 無料(どなたでもご参加頂けます)

参加申込:https://forms.gle/gqwh52uj3sk252x26

【開催概要】
JST CREST「共生インタラクション」領域で5年半に渡り、街の人を幸せにするAI的なもの(技術)の研究を進めてきました。私たちのプロジェクトでは、情報の力で街の人が幸せになる街をスマートシティと呼びます。この考え方は、人が必ずしも合理的でないからこそ成り立ちます。街から情報を獲得し、処理し、街に戻すことを通じて、人が新しい行動を獲得できるような、人とAI的なものとの新しい関係を考えます。

【主催】 JST CREST「限定合理性を超越する共生インタラクション基盤」

■プログラム
13:00 開場・受付
13:30 開会挨拶 「スマートシティのABC」
     慶應義塾大学 環境情報学部 教授 中澤 仁
13:45 講演1 「ビッグデータを用いた社会・AIの分析に基づく情報視野拡大」
     東京大学 生産技術研究所 教授 豊田 正史
14:00 講演2 「ユーザの内面状態推定に基づく痛感インタラクション」
     奈良先端科学技術大学院大学 情報科学領域 助教 佐々木 航
14:15 講演3 「家具型ロボットと遊具型ロボットが作り出す新たな風景のメカニズム」
     慶應義塾大学 環境情報学部 教授 中西 泰人
14:30 ポスターセッション
15:30 パネルディスカッション
     中澤仁 慶應義塾大学 環境情報学部 教授(モデレータ)
     佐々木航 奈良先端科学技術大学院大学 情報科学領域 助教
     豊田正史 東京大学 生産技術研究所 教授
     中西泰人 慶應義塾大学 環境情報学部 教授
     川原圭博 東京大学 インクルーシブ工学連携研究機構 機構長
     菊池浩明 明治大学 総合数理学部 教授
     山本慎一郎 藤沢市企画政策部 デジタル推進室 室長
16:45 閉会

■講演概要

・「スマートシティのABC」
慶應義塾大学 環境情報学部 教授 中澤 仁
JST CREST「共生インタラクション」領域で5年半に渡り、街の人を幸せにするAI的なもの(技術)の研究を進めてきました。私たちのプロジェクトでは、情報の力で街の人が幸せになる街をスマートシティと呼びます。この考え方は、人が必ずしも合理的でないからこそ成り立ちます。街から情報を獲得し、処理し、街に戻すことを通じて、人が新しい行動を獲得できるような、人とAI的なものとの新しい関係を考えます。

・「ビッグデータを用いた社会・AIの分析に基づく情報視野拡大」
東京大学 生産技術研究所 教授 豊田 正史
我々は、ビッグデータを分析し俯瞰的に可視化することで人々の情報視野を拡大することを目指している。本研究では、街およびSNSデータの分析により社会動向を理解するための手法、ならびに今や人々の意思決定の基盤となりつつある深層学習モデルの挙動を理解するための手法を開発している。本講演ではこれらの手法を用いた、COVID-19の感染拡大時における人々の行動や意識の分析、大規模言語モデルの挙動分析、機械学習の説明手法(XAI)を用いた創造的作業の支援などについて紹介する。

・「ユーザの内面状態推定に基づく痛感インタラクション」
奈良先端科学技術大学院大学 情報科学領域 助教 佐々木 航
気分や体調など、人の心理に影響を及ぼす内面状態をウェアラブル/モバイルデバイスが読み取り、それに基づいてユーザへの情報提示を制御する基盤技術を目指している。ウェアラブル/モバイルデバイス上のセンシング基盤で、センサ値やデバイスの利用状況などを取得し、内面状態推定機構により心身状態や行動を推定する。個人適応型情報通知機構は、心身状態や行動に合わせて、情報提示の内容や表現を制御する。これらを通じて、情報をユーザへより確実に届け、その情報の力で、ユーザのミクロ/マクロな行動変容を促進する。本講演ではこれらの技術を用いた、個人の性格推定や内面状態の継時変化 推定、人々の心の俯瞰、個人の感情極性適応的な情報提示制御などについて紹介する。

「家具型ロボットと遊具型ロボットが作り出す新たな風景のメカニズム」 
慶應義塾大学 環境情報学部 教授 中西 泰人
情報技術と移動技術を統合した新たな都市体験である「時空間サービス」を提供する物理環境の要素として、移動能力を備えた「家具型ロボット」と「遊具型ロボット」達をデザインし、多義的で動的な環境を作り出す研究を行ってきました。家具型ロボット達は、その抽象的な形状・変形・動き・配置を組み合わせ、周囲の環境と呼応しながらアフォーダンス・行為の可能性や意味を多義的・動的に生成します。遊具型ロボット達は、その移動能力にHMDやプロジェクタの映像を組み合わせることで物理空間での動きを増幅した体験を提供します。またこうした非人間型のロボット達が都市の風景を作り出すようになった時、私たちはそうしたロボット達とどのように付き合っていくのでしょうか。そうした答えを探求すべく様々な方々と重ねた対話を中心に「スマートシティとキノコとブッダ」という書籍を出版しました。本講演ではこれらの研究成果をご紹介します。

■ポスター情報

・中澤グループポスター(5件)
 スマートフォンセンサデータに基づく短期的感情変動の高精度推定手法の研究
 検索クエリとモバイルセンサデータを用いたWebユーザのムード状態の大規模推定と分析
 BigFive理論に基づくWebユーザの性格特性推定システムの開発 
 適応型情報提示システムにおけるタイミングと文言の最適化研究
 ユーザビリティ制御に基づくSNS依存抑制のための行動変容デザイン

・豊田グループポスター(4件)
 マイクロブログユーザのスタンス形成過程に基づく分極化の分析
 Visual Explanation for Advertising Creative Workflow
 A Persona-based Chatbot Using Personal Facts and Automatically-Annotated Personality Traits 
 ソーシャルメディア上の情報変容による誤情報拡散の理解に向けて

・中西グループポスター(5件)
 VR映像を用いた上半身のロール軸回転感覚の増幅
 AmplifiedTeacup:HMDと電動車椅子を利用したVRティーカップ体験における軌道の設計方針
 Projectoroid: ロボットを用いたインタラクティブな移動型SAR体験の設計と評価
 Povroid: 複数の自律移動ディスプレイを用いたSARのための配置と移動計画
 Framelight: 変形能力と移動能力を備えた家具型ロボットの印象を定める形状の調査

【発表・受賞】博士課程1年 浜中君らの研究がヘルスコミュニケーションウィーク2024 in Yokohamaで優秀演題賞を受賞しました

博士課程1年 浜中君らの研究がヘルスコミュニケーションウィーク2024 in Yokohamaで優秀演題賞を受賞し、プレナリーセッションで口述発表を行いました。

演題名:

「ライフログサービスにおける行動変容に向けた適応的プッシュ通知型情報提示手法」
浜中 智己, 坂本 一憲, 佐々木 由樹, 水野 慎一郎, 川崎 康紀, 佐々木 航, 中澤 仁, 大越 匡

【採択・公開】卒業生 別宮君の論文がElsevier Pervasive and Mobile Computingに採択・公開されました “A stable and efficient dynamic ensemble method for pothole detection”

卒業生 別宮君の論文がElsevier Pervasive and Mobile Computingに採択・公開されました。修士2年時の研究です。

Highlights:

・We introduce DynamicECM, an object detection approach for false positive suppression.

・DynamicECM optimizes the trade-off between inference time and detection performance.

・Our method maintains stable and accurate inference in various road environments.

Bekku, H., Kume, T., Tsuge, A., & Nakazawa, J. (2024). A stable and efficient dynamic ensemble method for pothole detection. Pervasive and Mobile Computing104, 101973.

道路の損傷調査を効率的に行うため、ゴミ収集車のダッシュカメラ映像を利用した物体検出モデルを適用する方法が提案されています。著者が以前の研究で提案したECM(Ensemble of Classification Mechanisms)は、誤検出を抑制する効果がありましたが、推論速度と検出性能の両立に課題がありました。

この問題を解決するために、DynamicECM(Dynamic Ensemble of Classification Mechanisms)を新たに提案しました。本手法は、必要に応じてECMを選択的に使用することで、安定した推論と最小限の誤検出抑制を実現します。

評価実験では、DynamicECMがECMよりも速度と検出性能のトレードオフを改善し、ECMが苦戦するデータセットでも安定した推論を達成しました。この方法は高い拡張性を持ち、様々な物体検出モデルの推論の安定性と効率性向上への貢献が期待されます。