【採択】特任助教佐々木航君の研究がBig Data Journalから出版されました。 “Large-Scale Estimation and Analysis of Web Users’ Mood from Web Search Query and Mobile Sensor Data”

[採択] 特任助教佐々木航君の研究がBig Data Journalから出版されました。
“Large-Scale Estimation and Analysis of Web Users’ Mood from Web Search Query and Mobile Sensor Data”

本研究では、検索クエリデータからユーザの気分状態を推定する新たな手法を提案しました。まず、スマートフォンのセンサーデータから気分を推定するためのセンサー気分モデル(SMM)を構築しました。これは、非侵襲的で容易に収集可能なモバイルセンサデータを利用しており、バックグラウンドで収集されるデータに対して、気分状態を推定します。また、Yahoo!JAPANに蓄積されたユーザのウェブ検索クエリから気分を推定する検索クエリ気分モデル(QMM)を構築しました。QMMモデルにSMMモデルを組み合わせることで、QMMのトレーニングデータを増やし、気分推定のパフォーマンスを向上させることができました。 さらに、我々は、11百万人以上のYahoo!JAPANユーザのウェブ検索クエリから気分スコアを3時間ごとに計算するシステムを構築し、「全国的な気分スコア」を生成しました。これらを解析すると、ユーザの週間リズムやCOVID-19パンデミックの間の気分の変動を捉えるなどの興味深い結果を見出すことができました。さらに、重要なニュースの影響や広告のクリックに関連するユーザの気分の変化も捉えることができました。 私たちの研究は、ウェブ検索クエリからユーザの気分を推定する新たな方法を提供し、実際のシステムに実装し、大規模なデータで評価することで、気分推定の分野に新たな可能性をもたらしました。ただし、気分に基づく広告配信などの倫理的な問題も含め、これらの結果の実用化には慎重な取り組みが必要であることを強調します。 詳しくは以下のURLから参照ください。

本研究は、ヤフー株式会社 Yahoo! JAPAN研究所との共同研究による成果です。

Wataru Sasaki, Satoki Hamanaka, Satoko Miyahara, Kota Tsubouchi, Jin Nakazawa, and Tadashi Okoshi, “Large-Scale Estimation and Analysis of Web Users’ Mood from Web Search Query and Mobile Sensor Data”, Big Data Journal, https://www.liebertpub.com/doi/full/10.1089/big.2022.0211

研究フレームワーク

2020年における推定値の変遷