シンポジウム「スマートシティのABC 〜限定合理性を超越する行動機会の拡張〜」を開催します

“スマートシティのABC 〜限定合理性を超越する行動機会の拡張〜”を開催します!

開催日時: 2024年12月13日(金) 13:0017:00

開催場所: 慶應義塾大学日吉キャンパス 藤原洋記念ホール

参加費: 無料(どなたでもご参加頂けます)

参加申込:https://forms.gle/gqwh52uj3sk252x26

【開催概要】
JST CREST「共生インタラクション」領域で5年半に渡り、街の人を幸せにするAI的なもの(技術)の研究を進めてきました。私たちのプロジェクトでは、情報の力で街の人が幸せになる街をスマートシティと呼びます。この考え方は、人が必ずしも合理的でないからこそ成り立ちます。街から情報を獲得し、処理し、街に戻すことを通じて、人が新しい行動を獲得できるような、人とAI的なものとの新しい関係を考えます。

【主催】 JST CREST「限定合理性を超越する共生インタラクション基盤」

■プログラム
13:00 開場・受付
13:30 開会挨拶 「スマートシティのABC」
     慶應義塾大学 環境情報学部 教授 中澤 仁
13:45 講演1 「ビッグデータを用いた社会・AIの分析に基づく情報視野拡大」
     東京大学 生産技術研究所 教授 豊田 正史
14:00 講演2 「ユーザの内面状態推定に基づく痛感インタラクション」
     奈良先端科学技術大学院大学 情報科学領域 助教 佐々木 航
14:15 講演3 「家具型ロボットと遊具型ロボットが作り出す新たな風景のメカニズム」
     慶應義塾大学 環境情報学部 教授 中西 泰人
14:30 ポスターセッション
15:30 パネルディスカッション
     中澤仁 慶應義塾大学 環境情報学部 教授(モデレータ)
     佐々木航 奈良先端科学技術大学院大学 情報科学領域 助教
     豊田正史 東京大学 生産技術研究所 教授
     中西泰人 慶應義塾大学 環境情報学部 教授
     川原圭博 東京大学 インクルーシブ工学連携研究機構 機構長
     菊池浩明 明治大学 総合数理学部 教授
     山本慎一郎 藤沢市企画政策部 デジタル推進室 室長
16:45 閉会

■講演概要

・「スマートシティのABC」
慶應義塾大学 環境情報学部 教授 中澤 仁
JST CREST「共生インタラクション」領域で5年半に渡り、街の人を幸せにするAI的なもの(技術)の研究を進めてきました。私たちのプロジェクトでは、情報の力で街の人が幸せになる街をスマートシティと呼びます。この考え方は、人が必ずしも合理的でないからこそ成り立ちます。街から情報を獲得し、処理し、街に戻すことを通じて、人が新しい行動を獲得できるような、人とAI的なものとの新しい関係を考えます。

・「ビッグデータを用いた社会・AIの分析に基づく情報視野拡大」
東京大学 生産技術研究所 教授 豊田 正史
我々は、ビッグデータを分析し俯瞰的に可視化することで人々の情報視野を拡大することを目指している。本研究では、街およびSNSデータの分析により社会動向を理解するための手法、ならびに今や人々の意思決定の基盤となりつつある深層学習モデルの挙動を理解するための手法を開発している。本講演ではこれらの手法を用いた、COVID-19の感染拡大時における人々の行動や意識の分析、大規模言語モデルの挙動分析、機械学習の説明手法(XAI)を用いた創造的作業の支援などについて紹介する。

・「ユーザの内面状態推定に基づく痛感インタラクション」
奈良先端科学技術大学院大学 情報科学領域 助教 佐々木 航
気分や体調など、人の心理に影響を及ぼす内面状態をウェアラブル/モバイルデバイスが読み取り、それに基づいてユーザへの情報提示を制御する基盤技術を目指している。ウェアラブル/モバイルデバイス上のセンシング基盤で、センサ値やデバイスの利用状況などを取得し、内面状態推定機構により心身状態や行動を推定する。個人適応型情報通知機構は、心身状態や行動に合わせて、情報提示の内容や表現を制御する。これらを通じて、情報をユーザへより確実に届け、その情報の力で、ユーザのミクロ/マクロな行動変容を促進する。本講演ではこれらの技術を用いた、個人の性格推定や内面状態の継時変化 推定、人々の心の俯瞰、個人の感情極性適応的な情報提示制御などについて紹介する。

「家具型ロボットと遊具型ロボットが作り出す新たな風景のメカニズム」 
慶應義塾大学 環境情報学部 教授 中西 泰人
情報技術と移動技術を統合した新たな都市体験である「時空間サービス」を提供する物理環境の要素として、移動能力を備えた「家具型ロボット」と「遊具型ロボット」達をデザインし、多義的で動的な環境を作り出す研究を行ってきました。家具型ロボット達は、その抽象的な形状・変形・動き・配置を組み合わせ、周囲の環境と呼応しながらアフォーダンス・行為の可能性や意味を多義的・動的に生成します。遊具型ロボット達は、その移動能力にHMDやプロジェクタの映像を組み合わせることで物理空間での動きを増幅した体験を提供します。またこうした非人間型のロボット達が都市の風景を作り出すようになった時、私たちはそうしたロボット達とどのように付き合っていくのでしょうか。そうした答えを探求すべく様々な方々と重ねた対話を中心に「スマートシティとキノコとブッダ」という書籍を出版しました。本講演ではこれらの研究成果をご紹介します。

■ポスター情報

・中澤グループポスター(5件)
 スマートフォンセンサデータに基づく短期的感情変動の高精度推定手法の研究
 検索クエリとモバイルセンサデータを用いたWebユーザのムード状態の大規模推定と分析
 BigFive理論に基づくWebユーザの性格特性推定システムの開発 
 適応型情報提示システムにおけるタイミングと文言の最適化研究
 ユーザビリティ制御に基づくSNS依存抑制のための行動変容デザイン

・豊田グループポスター(4件)
 マイクロブログユーザのスタンス形成過程に基づく分極化の分析
 Visual Explanation for Advertising Creative Workflow
 A Persona-based Chatbot Using Personal Facts and Automatically-Annotated Personality Traits 
 ソーシャルメディア上の情報変容による誤情報拡散の理解に向けて

・中西グループポスター(5件)
 VR映像を用いた上半身のロール軸回転感覚の増幅
 AmplifiedTeacup:HMDと電動車椅子を利用したVRティーカップ体験における軌道の設計方針
 Projectoroid: ロボットを用いたインタラクティブな移動型SAR体験の設計と評価
 Povroid: 複数の自律移動ディスプレイを用いたSARのための配置と移動計画
 Framelight: 変形能力と移動能力を備えた家具型ロボットの印象を定める形状の調査