日本学術振興会日中韓フォーサイト事業採択

中澤仁教授は代表とする「知能IoTを活用した東アジアにおける高齢者のライフスタイルと福祉の強化」研究提案は日本学術振興会令和2年度日中韓フォーサイト事業に採択された。

本研究プロジェクトは,(1)IoT機器のエッジ側でデータをリアルタイムで高度にAI処理して個人に特化した知的コンピューティングを実現する技術と,(2)超大量のIoT機器から収集されるデータをクラウド側で高度にAI処理して社会全体の傾向や将来予測を可能とする技術とを組み合わせた知能IoT技術を用いて,体の健康のみならず,精神的な健康や社会との繋がりを含める高齢者のライフスタイルとウェルビーイングを強化する社会を構築することを目指す。

具体的には、日中韓3国のトップレベル大学である慶應義塾大学,北京大学と韓国科学技術院を中心とする研究者らを集めて,下記の分野の研究交流を実施する。

(1)知的センシング技術: 高齢者の生活環境、身体活動と社会的つながりのためのエッジ側AI駆動のセンシング技術を確立し,それらに関する長期データを収集するIoTシステムを実現する。

(2)総合データ解析技術:生活環境、活動と社交データの総合分析により,高齢者の身体(Physical),精神(Mental)と社交(Social)のウェルビーイング状態を理解する技術を確立し,健康リスクの検出や生活支援などのサービスを実現可能とする。

(3)高齢者の健康増進サービスの研究開発:各国の需要に応じて、開発されたセンシングと解析技術を統合し、高齢者のケア、ソーシャルサポートなどを含む知能IoTサービスを開発し、東アジアの特性を考慮した高齢者の福祉への改善に貢献する。

(4)高齢者向けのIoTスマートホーム技術: 最後に、開発した技術とシステムを高齢者の家庭で効率的に実装および展開するための新しいIoTプラットフォーム技術を研究する。一方、このプロジェクトでは、侵入検知/防止システムなどの新しいセキュリティ研究も実施され、高齢者の特定の要件が考慮される高齢者の家のIoTシステムを保護する。

 

本研究プロジェクト期間は2020-2025となり、共同研究、訪問留学、共同セミナーなど、中国・韓国の研究者らと様々な研究交流を行う。

本研究に興味を持つ方は研究室(jn[at]sfc.keio.ac.jp)までお問い合わせください

本研究プロジェクトのウェブサイト: https://a3foresight.sfc.keio.ac.jp

 

”2020年最新ウェアラブル・IoTデバイスが実現する行動変容/健康行動研究” – 慶應SFC – 地域IoTと情報力コンソーシアム / 健康情報コンソーシアム合同Workshopを開催しました

多様なモバイル、ウェアラブル、IoT機器の登場と各種センシング技術の発達によって我々”人間”や”世界”についての多様な情報を取得できるようになってきています。2020年は、耳に装着する「イヤラブル」デバイスをはじめとして、新しいウェアラブル機器の登場・普及が見込まれ、ICT/AIによる、我々の健康/QoL/Well-being促進のための行動変容技術がより一層発展すると考えられます。

今回1/17(金)、英国Nokia Bell Labsの所長/オランダTU Delftの教授であり、イヤラブル・コンピューティング・システムの研究を世界的にリードするDr. Fahim Kawsar氏を基調講演にお招きし、慶應義塾大学SFC、地域IoTと情報力コンソーシアムと健康情報コンソーシアム合同でのワークショップを開催いたしました。

  • 基調講演
    “Wearables, IoT and You – The Compelling World of Augmented Perception”
    Dr. Fahim Kawsar
    (Director, Nokia Bell Labs Cambridge, UK) (Professor, TU Delft, Netherlands)

  • KDDI総合研究所におけるモバイルデバイスを活用した行動変容研究の取組みについて」
    多屋優人
    株式会社KDDI総合研究所 統合分析プラットフォームグループ 研究主査
  • 「医療機器とIoTヘルスケアの架け橋~体温変化という健康指標の可能性」
    田中彩諭理
    株式会社HERBIO CEO
  • 「感情的返答生成を伴う適応型対話システムの実現」
    片山晋
    慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科
  • モバイルコンピューティングによるエモーショナルイーティングの推定」
    栄元優作
    慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科

約50名の参加者の皆様も含めたディスカッションが行われました。機械学習モデルが各所で動作するモバイルコンピューティング・システムにおけるシステムのアーキテクチャに関する議論、行動変容研究の実際に関する議論、新型デバイスと計測にに関する議論など、活発な質疑応答が行われました。

当日の配布資料については、近日中に健康情報コンソーシアム会員エリアにて共有予定です。

中国山東省ビッグデータ局様来訪

10月30日,中澤研究室が行っているスマートシティ研究並びに藤沢市における応用事例を研修するために,中国山東省ビッグデータ局様一行が研究室を訪問しました。中澤 仁教授,藤沢市IT推進課の福田 達夫課長及び陳 寅特任講師が講演を行いました。